コラム

アルミニウムの由来と歴史

アルミニウムの存在は、「ミョウバン(天然アルミニウムを含む硫酸塩)」としてすでに5世紀頃から知られ、アルミニウムの元素名はこのミョウバンを意味するラテン語「alumen」に由来しています。

今日の非鉄金属としてのアルミニウムを初めて開発したのは、F・ウェーラー(ドイツの化学者)で、1827年に塩化アルミニウムとカリウムの化学結合によりアルミニウム製造の道を拓きました。

その後、サント・クレール・ドビル(フランスの化学者)がミョウバンを含んだ粘土を電解法でアルミニウムを析出する方法を開発、1855年のパリ万国博覧会に「粘土からの銀」と題して出品、話題を集めました。同博覧会場でアルミニウムの現物を見たナポレオン3世は、フランス甲騎兵の鎧をこの軽金属で製作しようと思い立ち、サント・クレール・ドビルにその開発を依頼。「金に糸目を付けない」形でサント・クレール・ドビルのアルミニウム製造法完成を資金援助したと言われています。

現在のボーキサイトから高純度アルミニウムを抽出する「融解塩電解法」の基本的仕組みは、1886年にP・L・T・エルー(フランスの化学者)とC・M・ホール(米国の化学者)がそれぞれ独立で行い、結果的に同時並行的な開発になったと言われています。

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